総裁選の最悪シナリオ※要注意※隠れ小泉進次郎派の人物がコバホーク保守陣営から大量の議員票を持っていこうとしていますを徹底解説
自民党総裁選2024 終盤情勢の全体像
2024年秋、自民党総裁選は終盤戦を迎え、永田町は激しい駆け引きと水面下の交渉に揺れています。報道各社の情勢調査によれば、議員票で優位に立っているのは小泉進次郎氏とされ、80〜90票を固めつつあると伝えられています。これに対して林芳正氏は約60票、高橋氏が40票、小林鷹之氏や木原氏らが30票前後とされ、数字の上では小泉リードが鮮明になりつつあります。
議員票の積み上げは総裁選における最重要ファクターです。自民党の総裁選は「議員票」と「党員・党友票」がほぼ同数の比率で投じられる仕組みになっており、特に1回目の投票で過半数を獲得できるかどうかが勝敗の分かれ目となります。議員票を多数確保できれば、たとえ党員票で差を詰められても最終的に決選投票で優位に立てるのです。
今回の選挙では「議員票で過半数に近づきつつある小泉氏」と「党員票で逆転を狙う高市氏」という対立構図が見え始めています。もし小泉氏が議員票で100票以上を固めれば、一回目の投票で優位に立つ可能性が極めて高く、決選投票でも勝利を手にする公算が大きくなります。
一方で、自民党議員の中には「小泉人気」の実態に疑問を投げかける声も少なくありません。ネット世論や保守系支持層からは厳しい批判が目立ち、「小泉氏では選挙に勝てない」という不安も根強く存在しています。それでも議員の多くが小泉支持に傾く理由は、世論調査での知名度やメディアでの露出度、そして「選挙で戦える候補」としてのイメージが大きいとされています。
さらに、総裁選の終盤で注目されているのは「議員票の流動性」です。表向きは特定候補を支持していても、水面下では別候補と交渉を進め、決選投票に備えて“票の移動”を計算する議員が少なくないのです。とりわけ小泉氏と高市氏のどちらが決選投票に進むのか、その局面で誰に乗り換えるかは、多くの議員にとって重要な駆け引きとなります。
このように、2024年自民党総裁選の終盤情勢は、小泉氏リードという報道の裏で、複雑な「議員票の読み合い」が展開されています。次の章では、議員票と党員票がどのように作用し、最終的な勝敗を左右するのかを詳しく解説していきます。
議員票と党員票の違い・影響力

自民党総裁選の最大の特徴は、「議員票」と「党員・党友票」の二本立てによって選出が行われる点にあります。両者は同じ「1票」として扱われますが、その重みと意味合いは大きく異なります。総裁選の行方を読み解くには、この二つの票の性質を理解することが不可欠です。
議員票とは何か
議員票とは、自民党所属の国会議員(衆議院・参議院)の1人につき1票が与えられる票のことです。現在の自民党の国会議員数は約370人前後とされ、その分だけ議員票が存在します。議員票は「派閥の動き」「人間関係」「政策の方向性」によって左右されることが多く、政治的な計算や駆け引きが色濃く反映される傾向があります。
議員票は「組織票」とも言われ、特に派閥単位での動きが注目されます。派閥の領袖が誰を支持するかを決めれば、その影響力は派閥内の議員に波及しやすく、一度に数十票単位で動くこともあります。したがって、候補者が勝利を収めるためには、まず議員票をどれだけ固められるかが重要なポイントになるのです。
党員票とは何か
一方の党員票は、自民党の党員・党友による投票です。全国の党員に投票権が与えられ、結果は「都道府県ごとの票数」に換算され、最終的に合算されて議員票と同じ数に調整されます。つまり、党員票の総数は議員票とほぼ同数になるよう設計されているのです。
党員票は「草の根の声」を反映しやすいと言われます。地域の党員が候補者の政策や人柄をどう評価するかによって票が分かれるため、国民世論の縮図とも言える性格を持っています。そのため、議員票とは異なり、派閥の力学に左右されにくい傾向があります。
議員票と党員票の力学
総裁選において重要なのは、この二つの票のバランスです。仮に議員票で大きくリードしていても、党員票で大差をつけられれば、決選投票での立場は弱くなります。逆に議員票で劣勢でも、党員票で圧勝すれば「国民的人気」という正統性を示すことができ、議員の態度を変える可能性があります。
例えば、2021年の総裁選では岸田文雄氏が議員票で優位に立ちつつ、党員票でも健闘して勝利しました。一方で、河野太郎氏は党員票では高い支持を集めたものの、議員票で劣勢となり敗北しました。このように、議員票と党員票は常にせめぎ合い、候補者の勝敗を大きく左右するのです。
決選投票における影響力
総裁選で過半数を取れない場合は上位2名による決選投票に移ります。この時に投票できるのは「国会議員票」と「都道府県連代表票(47票)」のみで、党員票は反映されません。つまり、決選投票では議員票の比重が圧倒的に高まるのです。
そのため、党員票でいくら圧勝しても、議員票をある程度確保していなければ決選投票で敗れる可能性が高い、という構造が存在します。これが「まずは議員票を固めることが勝利の近道」と言われる所以です。
今回の総裁選でのシナリオ
2024年の総裁選では、小泉進次郎氏が議員票でリードしている一方、高市氏は党員票での逆転を狙っています。もし小泉氏が議員票で過半数に近い数字を確保すれば、そのまま勝利する可能性が高くなります。しかし、議員票が過半数に届かず、党員票で高市氏が圧勝するような展開になれば、決選投票での構図が大きく変わる可能性があります。
つまり、今回の総裁選は「議員票による小泉リード」VS「党員票による高市巻き返し」という二重構造の戦いであり、その行方を占うカギとなるのが、議員票と党員票のダイナミズムなのです。
次章では、この「隠れ小泉派」の存在が小林鷹之陣営にどのような影響を与えているのか、議員票の流動性という視点から掘り下げていきます。
隠れ小泉派とは何か?

自民党総裁選2024をめぐる情勢で注目されているキーワードのひとつが「隠れ小泉派」です。表向きは特定候補を支持していると見せながら、水面下では小泉進次郎氏への支持を固めている、あるいは決選投票で小泉氏に票を流すことを前提に動いている議員たちを指します。
永田町における「二枚舌政治」
日本の政界、とりわけ自民党の派閥政治においては、建前と本音が必ずしも一致しないことが多々あります。公開の場では「中立」や「特定候補支持」を表明しながらも、実際には水面下で別の候補と交渉を進める「二枚舌」の行動は珍しくありません。これは派閥の論理、将来のポスト、選挙支援など、さまざまな利害関係が絡み合うためです。
「隠れ小泉派」もその一例であり、表面的には別候補を支持しつつ、最終的には小泉氏に合流することを見越した動きを取る議員が存在すると見られています。こうした議員は「鷹之氏支持」と表明しながらも、決選投票で小泉氏に投じることを暗黙の前提にしている可能性が指摘されているのです。
なぜ隠れ小泉派が存在するのか
隠れ小泉派が生まれる背景には、いくつかの要因があります。
- 選挙で勝てる候補を選ぶ現実主義
小泉氏は知名度が高く、メディアでの露出度も抜群です。議員にとっては「誰なら選挙で戦えるか」が最重要であり、その観点から小泉氏に期待を寄せる人は少なくありません。 - 派閥や人間関係のしがらみ
公然と小泉支持を表明すれば派閥内で摩擦を生む恐れがあります。そのため、建前では別候補を推しつつ、本音では小泉を支持するという「隠れ票」が生まれます。 - 決選投票での逆転狙い
1回目の投票で過半数を獲得する候補が現れなければ、決選投票に持ち込まれます。このとき、議員票が圧倒的に重視されるため、「隠れ小泉派」が一斉に動けば情勢は一変します。
小泉人気の実態と「見えない支持層」
小泉氏の人気については評価が分かれます。世論調査では「次期首相にふさわしい人物」として上位に挙がることが多い一方、ネット世論では批判的な意見が目立ちます。しかし、国会議員の多くは「名前の知れた候補こそが選挙で戦えるカードになる」と考えており、この「選挙で勝つためのブランド力」が隠れ支持を生み出す要因になっています。
つまり、隠れ小泉派の実態とは「保守層からの反発を恐れて公然と支持はできないが、最終的に小泉氏を推す可能性が高い議員たち」の集合体だと言えるでしょう。
永田町における「隠れ派閥」の歴史
実はこのような「隠れ票」「水面下支持」は過去の自民党総裁選でも繰り返されてきました。例えば、派閥の領袖が別候補を支持していると表明しても、実際には派閥所属議員がバラバラに投票し、結果として派閥の指示と異なる得票結果が出ることは珍しくありません。
議員にとって最優先されるのは「自らの当選」「将来のポスト」「地元支持層の反応」であり、派閥の指示に必ずしも従うわけではないのです。そのため、隠れ小泉派の存在は十分に現実味があると言えます。
小林鷹之陣営への影響
特に注目されているのは、小林鷹之氏の支持基盤です。小林氏は保守層に近い立場を取ると見られていますが、彼を支持すると見せながら実際には小泉氏に流れる議員票があるのではないかという観測が広がっています。もしこれが現実になれば、鷹之陣営は議員票で大きく不利になり、党員票での巻き返しにも限界が出るでしょう。
「隠れ小泉派」の動向次第で、総裁選の終盤戦は大きく揺れ動くことが予想されます。次章では、この「議員票の引き抜き疑惑」がどのように展開しているのかを、より具体的に検証していきます。
小林鷹之陣営への“票引き抜き”疑惑

総裁選2024の終盤で注目を集めているのが、「小林鷹之陣営からの票引き抜き疑惑」です。小泉進次郎氏を中心とする勢力が、水面下で小林氏支持を表明している議員を切り崩し、自陣営に取り込もうとしているのではないか――こうした観測が永田町に広がっています。
なぜ小林鷹之氏がターゲットになるのか
小林鷹之氏は、防衛や経済安全保障を重視する保守系の若手有望株として知られています。安倍晋三元首相や高市早苗氏の路線に共鳴する議員や党員から一定の支持を集めており、「保守再生の旗手」として期待する声も少なくありません。
しかし、同時に小林陣営は脆弱さを抱えています。所属議員の数が比較的少なく、党内の強力な派閥基盤を持たないため、「浮動票」的な支持が多いと見られています。こうした支持層は交渉や将来の利害関係によって揺らぎやすく、他陣営から見れば「狙いやすい票」になり得るのです。
議員票の引き抜きはどのように行われるのか
永田町での「票の引き抜き」は、露骨な裏切りというよりも、以下のような形で進むことが多いと言われています。
- ① 建前と本音の使い分け 表向きは「小林支持」を続けながら、水面下では小泉陣営と接触し、最終的に決選投票では小泉に投じるという二段構えの行動。
- ② ポストや選挙支援を条件にした取引 将来の党役職や政務三役入りの約束、あるいは地元選挙区への選挙支援を条件に、票を動かすケース。
- ③ 保守票の「分断工作」 保守系議員の中に「小泉政権でも一定の保守政策は維持される」と説得し、反小泉の結集を弱める戦術。
小林陣営に広がる警戒感
小林陣営にとって最大の懸念は、「表向きの支持者がどれだけ本当に票を投じるのか」という点です。特に、派閥領袖から自由裁量を与えられている若手議員や、無派閥の中堅議員は、情勢次第で態度を変える可能性が高いとされています。
実際に、自民党関係者の間では「小泉陣営が小林支持の議員に接触している」という噂が広がっており、鷹之氏を支持する保守陣営からは「票の抜け落ち」に強い危機感が漂っています。これは単なる噂の域を出ないものの、過去の総裁選で同様の事例があったことを考えると、まったく根拠のない話ではありません。
過去の“票引き抜き”事例
歴史を振り返ると、総裁選における「票の寝返り」は繰り返し見られてきました。派閥の領袖が支持を表明しても、実際の投票では所属議員の一部が別の候補に投じる例は少なくありません。これが「派閥単位の支持はあてにならない」と言われる所以です。
特に決選投票では、その傾向が顕著になります。1回目の投票で劣勢となった候補の支持議員が一斉に別候補に流れることは珍しくなく、そこでの交渉力が勝敗を決定づけるのです。小泉陣営がこの構造を見越し、小林支持の議員に早い段階から「水面下の合流」を呼びかけている可能性は十分に考えられます。
保守層の結束を崩す狙い
もう一つの見方として、小泉陣営は「保守陣営の結束そのものを崩す」ことを狙っている可能性があります。高市早苗氏や小林鷹之氏といった保守系候補が票を分散させれば、小泉氏に対抗する「反小泉連合」が成立しにくくなるためです。
その意味で、小林陣営からの票引き抜きは単なる数の上乗せにとどまらず、保守勢力を分断し、小泉優位を固定化する戦略の一環とも解釈できます。
影響と今後の展望
もし実際に小林陣営から相当数の票が抜ければ、鷹之氏の存在感は大きく後退し、「保守再生」のシナリオは厳しくなります。逆に、小林陣営が結束を保ち、票を死守することができれば、小泉陣営にとっては予想外の苦戦要因となり得ます。
いずれにせよ、総裁選の終盤で鍵を握るのは「どの議員が本当に票を投じるのか」という水面下の動きです。表向きの支持表明だけでは情勢を読み切れない――これこそが、今回の総裁選の最大の特徴と言えるでしょう。
次章では、こうした「票引き抜き」が実際にどこまで現実的なのか、また過去の事例から導かれる条件について詳しく分析していきます。
票の寝返りはどこまで現実的か?

自民党総裁選では、表向きの支持表明と実際の投票行動が必ずしも一致しないことがしばしばあります。派閥や議員本人の戦略的判断によって「寝返り票」が生まれることは、過去の総裁選でも繰り返し見られてきました。ここでは、票の寝返りがどこまで現実的に起こり得るのか、その条件や背景を整理していきます。
1. 総裁選における票の「二重構造」
総裁選の投票行動は単純な「支持・不支持」ではなく、次のような二重構造を持っています。
- ① 公然票(表向きの支持):記者会見や派閥内での表明に基づく票。
- ② 水面下票(実際に投じる票):最終的に投票用紙に書かれる候補名。
この「二重構造」により、記者発表や派閥の支持表明をそのまま鵜呑みにすることは危険です。派閥内でも「領袖には従う」と表明しながら、実際の投票では別の候補に入れるケースも珍しくありません。
2. 票の寝返りが起こる条件
票が寝返る背景にはいくつかの条件があります。
- ① 劣勢候補の支持者:1回目の投票で勝ち目が薄いと見られる候補を支持している議員は、早めに「勝ち馬」に乗り換える傾向がある。
- ② 将来のポストを見据えた計算:政務三役や副大臣ポスト、あるいは党内役職を得るために有力候補への支持をシフトする。
- ③ 地元選挙区の事情:有権者や地元組織の意向が「この候補なら選挙で勝てる」と傾けば、議員本人も態度を変える。
- ④ 決選投票を見越した行動:1回目は派閥や表向きの立場を尊重し、2回目の決選投票で本心を投じるという「二段構え」。
3. 過去の寝返り事例
過去の総裁選でも、寝返りは重要な勝敗要因となってきました。
- 2001年 小泉純一郎の旋風:当初は森派など大派閥の支援が他候補に集まっていたが、最終盤で議員票の一部が小泉氏に流れ、圧倒的な勝利につながった。
- 2012年 安倍晋三の逆転:1回目投票では石破茂氏が優位に立ったが、決選投票で議員票が一斉に安倍氏に流れ、逆転勝利を果たした。
- 2021年 岸田文雄の勝利:河野太郎氏が党員票で強さを見せたものの、議員票で岸田氏に寝返る議員が相次ぎ、決選投票で形勢が逆転した。
これらの事例は、「決選投票では議員票がすべてを決める」という現実を示しています。
4. 今回の総裁選での寝返り可能性
2024年総裁選においては、小泉進次郎氏が議員票でリードしているとされますが、その一方で高市早苗氏が党員票で大きな支持を集める可能性があります。もし高市氏が党員票で圧勝した場合、決選投票で「国民的人気」を無視できず、議員票が流れる展開が考えられます。
また、小林鷹之氏を支持する議員の中でも「保守系再生の流れ」と「勝ち馬に乗る現実主義」の間で揺れている層は多いとされ、この部分が最も“寝返り票”になりやすいと指摘されています。
5. 寝返りが持つリスクと影響
議員にとって寝返りは「戦略的行動」である一方、リスクも伴います。表向きの支持を翻せば派閥内で孤立する可能性があり、また地元支持者から「一貫性がない」と批判を受けることもあります。しかし、永田町においては「勝者に従う」ことが最終的に評価される傾向が強く、結果的に寝返りを選ぶ議員が少なくないのです。
まとめ
票の寝返りは、総裁選における常態化した現象と言えます。特に決選投票では議員票がすべてを左右するため、隠れ支持や水面下の交渉は避けられません。今回の選挙でも「隠れ小泉派」が票を動かす可能性は現実的に存在し、情勢を大きく変える要素となるでしょう。
次章では、もし実際に票の引き抜きや寝返りが起きた場合、総裁選の結果がどのようなシナリオに分岐するのかを分析していきます。
もし票が流れたらどうなる?シナリオ分析

自民党総裁選の最大の焦点は「誰が議員票を制するか」です。しかし、議員票は表向きの支持表明とは別に「流動性」を持ち、終盤戦では寝返りや票の引き抜きが現実化します。もし票が大きく流れた場合、総裁選のシナリオはどう変わるのでしょうか。ここでは、いくつかのパターンを想定して分析してみましょう。
シナリオ1:小泉進次郎氏の圧勝シナリオ
最も単純なパターンは、「議員票で小泉氏が100票以上を確保し、党員票でも一定の支持を得る」シナリオです。この場合、1回目の投票で過半数に近づき、決選投票では他候補からの票流入が限定的となり、小泉氏の勝利がほぼ確定します。
この展開では、「隠れ小泉派」の存在が大きな意味を持ちます。小林鷹之氏や林芳正氏を支持していた議員の一部が決選投票で小泉氏に合流すれば、結果はさらに盤石となります。ただし、保守層からの反発が強まるため、総裁就任後の政権運営にはリスクを伴います。
シナリオ2:高市早苗氏の党員票圧勝シナリオ
もう一つの可能性は、高市氏が党員票で圧倒的勝利を収めるパターンです。この場合、1回目投票で議員票では劣勢でも、党員票の数字が「無視できない民意」として広く報じられ、議員たちに心理的圧力を与えます。
もし高市氏が党員票で過半数を超えるような支持を得れば、決選投票では「国民の声を無視できない」と考える議員が小泉陣営から流れ、高市氏が逆転勝利する可能性が浮上します。これは2012年に安倍晋三氏が石破茂氏を逆転した構図に似ています。
シナリオ3:小林鷹之氏の台風の目シナリオ
現実的には難しいものの、小林氏が「保守再生」の象徴として議員票を想定以上に確保すれば、決選投票でキャスティングボードを握る存在となります。例えば1回目で30〜40票を超える支持を維持し、決選投票でどちらに票を流すかを巡って激しい交渉が行われる可能性があります。
この場合、「隠れ小泉派」が小林陣営から票を引き抜こうとする動きが激化するでしょう。逆に小林陣営が結束を保てば、小泉優位の構図を揺るがす「台風の目」になり得ます。
シナリオ4:林芳正氏による中間派取り込みシナリオ
林氏は外務大臣経験者として知名度と安定感を売りにしています。議員票で大きく伸びなくても、中間派や地方票の一部を取り込むことで決選投票に残る可能性があります。決選投票に進んだ場合、林氏は「反小泉票」の受け皿として議員票を集め、小泉氏と接戦になる展開も考えられます。
票の流れが選挙を決定づける
これらのシナリオに共通しているのは、「議員票の流動性こそが総裁選の勝敗を左右する」という点です。とりわけ、1回目投票で決着がつかず決選投票に持ち込まれた場合、議員票の寝返りは一気に加速し、情勢は劇的に変化します。
例えば、小林陣営から10〜20票が小泉氏に流れるだけで、小泉圧勝のシナリオが現実になります。逆に、その一部が高市氏や林氏に流れれば、小泉氏の勝利は不透明になり、決選投票は混迷を極めます。
まとめ
票の流れは単なる数字の移動にとどまりません。それは各候補の「将来性」「党内での信頼」「選挙に勝てるか」という議員たちの現実的な計算の結果です。したがって、今後数日の水面下交渉や派閥内の駆け引きが、最終的な総裁選の帰趨を決定づけることになるでしょう。
次章では、こうした票の動きを前提に、小林鷹之氏を含む保守陣営がどのような対策を取れるのかを掘り下げていきます。
鷹之氏・保守陣営が取りうる対策

自民党総裁選2024において、小林鷹之氏は「保守再生の旗手」として一定の注目を集めています。しかし、議員票の引き抜き疑惑や隠れ小泉派の存在によって、陣営は大きなリスクを抱えています。ここでは、小林鷹之氏と保守陣営がこの状況を乗り切るために取りうる対策を整理していきます。
1. 支持議員との信頼関係を強化する
最も基本的であり、かつ重要なのが「支持を表明した議員が最後まで裏切らないように信頼関係を保つこと」です。議員票の流動性が高い総裁選では、表向きの支持表明だけでは不十分です。定期的な会合や情報共有を行い、「本当に投票してくれるのか」を確認する努力が不可欠です。
また、議員一人ひとりの事情に寄り添うことも重要です。例えば「地元の保守層にどう説明するか」「次の選挙でどんな支援を期待できるか」といった具体的な話題を共有し、安心感を与えることで、寝返りを防ぐ効果が期待できます。
2. 支持層を「確度」で分類し管理する
陣営内で「この議員は確実に支持してくれる」「この議員は揺れる可能性がある」といった格付けを行い、リスク管理を徹底することも有効です。たとえば以下のような分類です。
- A層(鉄板支持):裏切る可能性が極めて低い議員。
- B層(要ケア支持):表明はしているが状況次第で寝返る可能性がある議員。
- C層(流動票):最終的にどちらに投じるか分からない議員。
特にB層・C層には重点的なケアを行い、小泉陣営による接触や説得を防ぐことが不可欠です。
3. 保守票の結束を訴える
小林氏にとって最大の強みは「保守再生」の旗印を掲げていることです。したがって、小泉氏のようなリベラル・中道寄りの候補に票を流すことが「保守の瓦解」につながるという危機感を前面に打ち出す必要があります。
「小泉氏を選べば、自民党は選挙に勝てない」「保守層が離反する」というシナリオを強調し、議員たちに「勝てるのは保守結集の道しかない」というメッセージを浸透させることが効果的です。
4. メディア戦略による牽制
水面下での票引き抜きは、往々にして表沙汰になりにくいものです。しかし、あえてメディアに「隠れ小泉派が票を奪おうとしている」と警戒感をリークすることで、牽制効果を生むことができます。議員に「裏切りは監視されている」という心理的プレッシャーを与えれば、寝返りのハードルは高くなります。
5. 党員票での圧倒的勝利を狙う
議員票が揺れ動きやすい以上、党員票で圧倒的な結果を出すことが小林陣営にとって最大の武器になります。全国の保守層や草の根支持者に訴えかけ、「鷹之こそが保守再生の希望だ」という物語を共有することが必要です。
特に安倍晋三元首相の路線を継承する姿勢を打ち出せば、失望している保守層の結集を図ることができ、党員票で大きな差をつける可能性もあります。この結果は議員たちに強い影響を与え、寝返りを防ぐ役割を果たします。
6. 決選投票を見越した交渉力強化
仮に1回目投票で小林氏が勝ち残れなかった場合でも、30〜40票を維持できれば「キャスティングボード」を握る存在になれます。その際、どちらの候補に票を流すかを巡って交渉力を発揮することができ、将来の政権運営における発言権を確保するチャンスにもなります。
まとめ
小林鷹之氏と保守陣営が勝ち残るためには、単に「票を守る」だけでなく、「結束を維持し、党員票を積み上げ、決選投票を見据えた戦略」を同時に進める必要があります。議員票の引き抜き疑惑が現実味を帯びる中で、信頼関係・結束・草の根支持の三本柱が鷹之陣営の命綱となるのです。
次章では、こうした対策の先にある「自民党の未来」について、総裁選の結果が党の再生か、それとも自滅かを分けるポイントを展望していきます。
総裁選の行方と自民党の未来

2024年自民党総裁選は、単なるリーダー選びを超えた「党の存亡をかけた選挙」となっています。小泉進次郎氏が議員票でリードする一方、高市早苗氏や小林鷹之氏ら保守系候補が党員票や保守層の支持を固め、林芳正氏は中間派を取り込もうとしています。果たして総裁選の行方は、自民党にとって再生の一歩となるのか、それとも自滅への道を開くのか。その可能性を展望します。
小泉進次郎総裁誕生の可能性とリスク
小泉氏が総裁に選ばれるシナリオは現時点で最も可能性が高いと見られます。議員票のリードは大きく、決選投票でも「勝ち馬に乗る」議員票が小泉氏に流れる可能性が高いからです。
しかし、その先に待つのは大きなリスクです。小泉氏はリベラル・中道寄りの政策を掲げており、LGBT法や環境政策などを推進してきました。これに反発する保守層は多く、「小泉政権では選挙に勝てない」「保守票が離反する」との懸念が根強いのです。もし総裁就任後の解散総選挙で大敗すれば、自民党の長期政権は一気に崩れる恐れがあります。
高市早苗氏による逆転シナリオ
一方で、高市氏が党員票で圧勝し、決選投票で議員票が流れる展開も考えられます。これは「国民的人気を無視できない」という論理で、議員たちが高市氏に切り替えるシナリオです。
この場合、自民党は「安倍晋三路線」の復権を掲げ、保守層を再結集する可能性があります。ただし、リベラル層や都市部有権者からの反発も想定され、選挙戦略としてはリスクを伴います。つまり「保守結集で基盤を固めるが、中道票を失う」という課題を抱えることになります。
小林鷹之氏が描く保守再生の道
小林鷹之氏は、安倍晋三元首相の遺産を継承しつつ、新しい世代の保守を体現する存在として期待されています。議員票の引き抜き疑惑に直面しつつも、もし結束を維持し、党員票で一定の支持を得られれば、将来のリーダー候補としての地位を確立することができるでしょう。
ただし、今回の選挙で勝ち切るのは難しく、「次につなぐ総裁選」という位置づけになる可能性が高いと見られます。それでも、30〜40票規模を維持できれば、保守層の結集点として存在感を残し、次期総裁選の重要プレイヤーとなります。
林芳正氏が担う「中間派の受け皿」
林氏は外務大臣経験者として国際的な実績を持ち、「安定感」と「外交力」で勝負しています。もし決選投票に進めば、「反小泉」の受け皿として議員票を伸ばす可能性があります。ただし、党員票で大きな支持を得にくいという弱点もあり、勝ち切るには難しさが伴います。
自民党再生か、自滅か
今回の総裁選は、自民党にとって分水嶺です。小泉氏が勝てば「若さと知名度」で一時的な注目を集められるかもしれませんが、保守層の離反が避けられず、選挙で敗北するリスクがあります。高市氏や小林氏が健闘すれば「保守再生」の流れが強まり、自民党が再び保守基盤を固めるチャンスとなります。
いずれにせよ、現在の自民党は「派閥政治の延命」ではなく、「どのように国民の信頼を取り戻すか」が問われています。次期総裁が誰であれ、選挙に勝てなければ政権は続きません。その意味で、今回の総裁選は自民党にとって再生のチャンスであると同時に、自滅への分岐点でもあるのです。
まとめ
総裁選2024は、小泉進次郎氏のリード、保守陣営の結集、高市氏の逆転可能性、林氏の中間派戦略といった複雑な構図の中で進んでいます。鍵を握るのは「議員票の流動性」と「党員票のインパクト」です。
最終的に選ばれる総裁が誰であっても、自民党が次の衆院選・参院選で国民の信頼を得られるかどうかが最大の試金石になります。自民党が再生の道を歩むのか、それとも歴史的敗北を迎えるのか――今回の総裁選は、その運命を決定づける極めて重要な選挙になるでしょう。
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