「大学生は部活・サークル離れが進んでいるのか」。文部科学省は2026年10月9日、2025年度「全国学生調査」を公表しました。週0時間だった学生は、大学2年生で53%、4年生以上で71%でした。
ただし、この数字だけでサークル離れとは言えません。退部したかどうかは、調査から分からないためです。また、就活のガクチカを優先したとも断定できません。調査が尋ねたのは、授業期間中の平均的な1週間に活動へ使った時間です。所属の有無や、活動しなかった理由を直接尋ねた結果ではありません。文科省の過去調査との比較も踏まえ、数字の意味を整理します。
結論:週0時間の学生が多いことは分かります。ただし、2025年度調査だけで「部活・サークル離れが進んだ」とは断定できません。文科省は2022年度の試行調査とも比べています。その比較では、部活・サークル活動の時間が増加したとも記載しています。
文科省調査で「週0時間」は何%?
文科省は2025年度「全国学生調査(本格実施)」を行いました。回答者全体では、61.5%が週0時間と答えました。これは、平均的な1週間の部活・サークル活動時間が0時間だったという意味です。学年別では、2年生が53%、4年生以上が71%です。
| 対象 | 週0時間の割合 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 大学生の回答者全体 | 61.5% | 調査に回答した2年生と最終学年生などの合計 |
| 大学2年生 | 53% | およそ2人に1人が、その週は活動時間0時間と回答 |
| 大学4年生以上 | 71% | およそ7割が、その週は活動時間0時間と回答 |
「週0時間」は、その週に活動しなかったという回答です。未所属や退部を示す数字ではありません。活動を避けているとも限りません。所属していても、調査週に活動日がない場合があります。試験・就職活動・実習で参加できないこともあります。
「部活・サークル離れ」と断定できない理由
今回の質問は、授業期間中の平均的な1週間を対象にしています。尋ねたのは、部活・サークルの活動時間です。学生の所属率や退部率を聞く質問とは異なります。また、対象は参加大学に在籍する2年生と最終学年生です。1年生や3年生を含む、すべての大学生の実態をそのまま表した調査ではありません。
調査は2025年10月から2026年3月まで行われました。各大学は、この期間から約1か月を選んで実施しました。大学の有効回答率は25.3%でした。回答者は約32万人です。未回答者の活動状況は、この集計から分かりません。調査時期や回答者の偏りも考慮して読みましょう。
文科省資料は「活動時間が増加」とも説明
週0時間の学生が多いと、活動が減ったように見えるかもしれません。ただ、過去の調査との比較も必要です。文科省は、2022年度の第3回試行実施と比較しています。結果資料によると、授業の学習時間は減少しました。一方、アルバイトと部活・サークル活動の時間は増加したと記載しています。
この比較だけで、現在の大学生活全体を説明できるわけではありません。週0時間と答えた学生が多いことと、前回比較で活動時間が増えたことは両立します。そのため、この数字だけで全国の学生がサークルから離れたとは言えません。
「ガクチカ」や就活が理由なの?
今回の調査結果は、部活・サークルの週当たり活動時間を示しています。この調査では、活動しない理由を特定していません。「就活のガクチカを優先した」という因果関係も示していません。
文科省は最終学年の学習時間にも触れています。就職活動などの影響が背景にある可能性を述べました。ただし、これは学習時間の説明です。部活・サークルの週0時間が就活によるものとは示していません。「就活優先か」は、この調査だけでは答えられません。
今回の調査から分かること・分からないこと
- 分かること:調査に回答した大学2年生の53%、4年生以上の71%は、平均的な1週間の部活・サークル活動が0時間だった。
- 分かること:文科省資料は2022年度試行調査との比較で、部活・サークル活動の時間が増えたと説明している。
- 分からないこと:週0時間の学生がサークルに所属しているか、退部したか、活動しない理由は何か。
- 分からないこと:就活の「ガクチカ」を優先したことが、活動時間に影響したか。
「大学生は部活・サークル離れ?」への答えは、調査だけでは判断できない、です。週0時間の学生は多くいます。ですが、所属者の減少や活動しない理由は確認できません。参加率の推移を見るには、同じ方法の別調査との比較が必要です。
よくある質問
大学2年生の53%はサークルに入っていないという意味?
いいえ。53%は、調査で尋ねた平均的な1週間の活動時間が0時間だった割合です。サークルへの所属の有無を示す数字ではありません。
大学生の部活・サークル活動は減少傾向ですか?
2025年度調査だけでは、長期的な所属者の増減は分かりません。週0時間の割合からは判断できないためです。文科省の資料は、2022年度の試行調査と比べた活動時間の増加も記載しています。そのため、単純な「サークル離れ」とは言い切れません。
「ガクチカ」目的でサークルに入る学生が減ったのですか?
今回の調査は、入部の動機や活動しない理由を尋ねていません。ガクチカとの関係も分かりません。
出典・確認日
確認日:2026年10月15日。記事は文部科学省の公表資料をもとに作成しています。
大学生年代の扶養が心配な方は、年末調整と扶養控除の確認点もご覧ください。
