Black and white photo of an elderly man standing in a busy Tokyo street, capturing urban life.

厚生年金と国民年金の違い 受給額の計算方法をわかりやすく解説

“`html

この記事でわかること

Elderly couple reviewing financial documents together at home in Portugal.
Photo by Kampus Production on Pexels

「厚生年金と国民年金、何が違うの?」「自分はいくらもらえるの?」——老後の生活設計を考えるうえで、年金の仕組みを正しく理解することは欠かせません。この記事では、厚生年金と国民年金の根本的な違いから、受給額の具体的な計算方法、手続きの手順まで、40〜70代の方がいま知っておくべき情報をすべて網羅しています。

  • 厚生年金と国民年金の仕組みと違い
  • 受給額の計算方法(会社員・自営業それぞれ)
  • 申請に必要な書類と手続き先
  • 繰り上げ・繰り下げ受給のメリット・デメリット
  • ケース別(扶養・海外居住など)の注意点

先に結論

An elderly couple in a warm living room holding a credit card, symbolizing modern banking.
Photo by AI25.Studio Studio on Pexels

厚生年金と国民年金の最大の違いは、「加入する対象者」と「受給額の計算方法」の2点です。国民年金はすべての国民が加入する「基礎年金」であり、満額でも月約6万8,000円(令和6年度)。一方、厚生年金は会社員・公務員などが上乗せで加入する「報酬比例の年金」で、現役時代の収入と加入期間によって受給額が大きく変わります。

自営業者やフリーランスは国民年金のみですが、会社員は国民年金+厚生年金の「二階建て構造」で受け取れます。老後の生活を安定させるためには、自分がどちらに該当するかを正確に把握し、早めに対策を立てることが重要です。

対象となる人

Elderly woman cycling in bustling Tokyo street, urban lifestyle scene.
Photo by Mike The Fabrica on Pexels

年金制度は「誰が加入するか」によって受け取れる年金の種類と金額が大きく変わります。まず自分がどの区分に当てはまるかを確認しましょう。

区分 対象者 加入する年金 保険料の負担 受給できる年金
第1号被保険者 自営業者・フリーランス・学生・無職など 国民年金のみ 定額(月16,980円/令和6年度) 老齢基礎年金のみ
第2号被保険者 会社員・公務員・会社役員など 国民年金+厚生年金 報酬比例(労使折半) 老齢基礎年金+老齢厚生年金
第3号被保険者 第2号の配偶者で年収130万円未満の専業主婦(夫)など 国民年金(自動加入) 保険料負担なし(第2号が間接負担) 老齢基礎年金のみ
任意加入者 海外居住の日本国籍者・65歳未満で年金額不足の人など 国民年金(任意) 定額(月16,980円) 老齢基礎年金のみ

※保険料額は毎年度改定されます。最新額は日本年金機構公式サイト(https://www.nenkin.go.jp/)でご確認ください。

制度・手続きの概要

Business professional consults elderly clients in an office setting. Collaborative discussion, paperwork visible.
Photo by Kampus Production on Pexels

国民年金(老齢基礎年金)の仕組みと計算方法

国民年金は20歳から60歳までの40年間(480か月)加入することで満額を受給できます。令和6年度の満額は月額68,000円(年額816,000円)です。

【計算式】
老齢基礎年金額 = 816,000円 × (保険料納付済月数 ÷ 480)

例えば、35年(420か月)しか納付していない場合は「816,000円 × 420÷480 = 714,000円(月約59,500円)」となります。未納・免除期間があると受給額が下がるため、追納(過去の未納分を支払うこと)を検討することが重要です。

厚生年金(老齢厚生年金)の仕組みと計算方法

厚生年金は現役時代の「平均標準報酬額(月給や賞与を基に計算した額)」と「加入期間」によって受給額が決まります。

【計算式(平成15年4月以降の加入期間分)】
老齢厚生年金額 = 平均標準報酬額 × 5.481÷1000 × 加入月数

例えば、平均標準報酬額35万円・加入期間40年(480か月)の場合:
35万円 × 5.481÷1000 × 480 = 約92万1,600円(月約7万6,800円)

これに老齢基礎年金(満額約81万6,000円)が加算されると、年間約174万円(月約14万5,000円)受け取れる計算になります。ただし、この計算はあくまで目安であり、実際の受給見込み額はねんきんネット(https://www.nenkin.go.jp/n_net/)または「ねんきん定期便」で確認することを強くお勧めします。

受給開始年齢と手続きの流れ

原則として65歳から受給開始ですが、60〜64歳への「繰り上げ受給」や、66〜75歳への「繰り下げ受給」も選択できます。受給を開始するには、65歳の誕生日の3か月前頃に日本年金機構から送付される「年金請求書」に必要事項を記入し、手続きを行います。

必要書類と確認先

年金を受給するための手続きに必要な書類は以下のとおりです。事前に揃えておくとスムーズです。

  • 年金請求書(日本年金機構から送付。基礎年金番号が記載されたもの)
  • 戸籍謄本または戸籍抄本(発行から6か月以内のもの)
  • 住民票の写し(マイナンバーが記載されていないもの)※マイナンバーを記入した場合は省略可
  • 銀行の通帳またはキャッシュカード(振込先口座の確認用)
  • 印鑑(シャチハタ不可)
  • マイナンバーカードまたは通知カード
  • 雇用保険被保険者証(60〜64歳で受給する場合)
  • 配偶者の年金手帳・所得証明書(加給年金〔一定の要件を満たす配偶者に対して加算される年金〕を受ける場合)
  • 障害状態確認届(障害を持つ子がいる場合)

※書類の種類は状況によって異なります。不明な場合は事前に年金事務所にご確認ください。

手続き先と提出方法

  • 住所地の年金事務所または街角の年金相談センターへ持参・郵送
  • 市区町村の国民年金担当窓口(国民年金のみの方)
  • ねんきんネットhttps://www.nenkin.go.jp/n_net/)で事前確認・電子申請の一部手続き可

手続き期限と注意点

年金の時効は5年です。受給権が発生してから5年を過ぎると、その期間の年金は受け取れなくなります。65歳になったら速やかに手続きを行いましょう。また、繰り上げ受給を選択すると一度決定したら取り消し不可のため、慎重に判断することが必要です。

ケース別の注意点

ケース1:会社員から自営業に転職した場合

会社員時代は第2号被保険者として厚生年金に加入していましたが、自営業に転じると第1号被保険者となり、国民年金への切り替え手続きが必要になります。転職・退職後14日以内に住所地の市区町村役場で手続きを行ってください。この切り替えを怠ると未納期間が発生し、将来の受給額が減少します。また、自営業者は厚生年金に相当する上乗せ部分がないため、国民年金基金iDeCo(個人型確定拠出年金)への加入を検討することをお勧めします。

ケース2:繰り上げ受給・繰り下げ受給を検討している場合

繰り上げ受給(60〜64歳開始)を選ぶと、1か月繰り上げるごとに受給額が0.4%減額(昭和37年4月2日以降生まれの方)され、その減額は一生涯続きます。60歳から受給すると最大24%の減額となります。逆に繰り下げ受給(66〜75歳開始)は、1か月繰り下げるごとに0.7%増額され、75歳まで繰り下げると最大84%の増額になります。健康状態や家族構成、貯蓄状況を総合的に判断したうえで選択することが重要です。

ケース3:専業主婦(夫)・扶養家族の場合

第3号被保険者(会社員の配偶者で年収130万円未満)は、保険料を支払わなくても国民年金に加入したとみなされます。ただし、配偶者が退職・転職した場合や、自身の収入が130万円を超えた場合は、速やかに第1号被保険者への切り替えが必要です。切り替えを怠ると未納扱いとなり将来の年金額が減ります。手続きは市区町村の窓口で行います。

ケース4:海外に居住している(していた)場合

海外居住中は国内の年金加入義務がありませんが、任意加入制度を利用することで国民年金に加入できます。また、日本が社会保障協定を締結している国(アメリカ・ドイツ・フランスなど)に居住・就労している場合は、保険料の二重払いを防ぐ仕組みが適用されます。海外在住中の年金記録については、日本年金機構(https://www.nenkin.go.jp/)の窓口または在外公館に相談してください。受給時は、海外の金融機関への振込も可能ですが、別途手続きが必要です。

今日やること3つ

  1. 【ねんきんネットに登録して自分の年金見込み額を確認する】
    ねんきんネット(https://www.nenkin.go.jp/n_net/)にアクセスし、基礎年金番号またはマイナンバーで利用登録する。現時点での加入記録と将来の受給見込み額を確認できます。受給開始年齢を変えてシミュレーションする機能もあるため、繰り上げ・繰り下げの比較にも活用できます。
  2. 【「ねんきん定期便」を引き出しから取り出して確認する】
    毎年誕生月に送付される「ねんきん定期便」には、これまでの加入期間・納付実績・年金見込み額が記載されています。未納期間がないか、加入記録に漏れがないかをチェックしましょう。紛失した場合はねんきんネットで代替確認できます。記録に誤りがあれば、早めに年金事務所へ申し出ることが重要です。
  3. 【近くの年金事務所または年金相談センターに電話で相談予約を入れる】
    受給開始年齢の選択・繰り下げの検討・未納期間の追納など、個別の疑問は専門家に直接相談するのが最も確実です。年金相談センター(https://www.nenkin.go.jp/section/soudan/)から最寄りの相談窓口を探せます。予約制の窓口が多いため、事前に電話またはウェブで予約を取ることをお勧めします。

よくある誤解

誤解1:「国民年金を払っていれば厚生年金ももらえる」

これは誤りです。厚生年金を受け取るためには、会社員・公務員として厚生年金に加入していた期間が必要です。自営業者やフリーランスとして国民年金のみに加入していた場合は、厚生年金部分は受け取れません。「二階建て年金」と呼ばれるように、厚生年金は国民年金の上に乗る追加部分であり、別途の加入が必要です。

誤解2:「年金は65歳になると自動的に振り込まれる」

これも誤りです。年金の受給は自動的に始まるのではなく、必ず自分で「年金請求書」を提出する手続きが必要です。手続きをしないと年金は支払われません。65歳の誕生日の3か月前頃に日本年金機構から請求書が送られてきますので、書類が届いたら早めに手続きを進めてください。手続きが遅れた場合も5年以内であれば遡って受給できますが、早めの対応が安心です。

誤解3:「繰り上げ受給は損なだけ」

一概にそうとは言えません。健康上の不安がある方・早期退職後の収入が少ない方にとっては、繰り上げ受給が合理的な選択になる場合もあります。重要なのは「何歳まで生きれば繰り下げ受給の方が得になるか」という損益分岐点を計算することです。一般的に繰り下げ受給(75歳)の損益分岐点は85〜86歳頃とされています。自身の健康状態・家族の状況・他の収入源などを総合的に考慮したうえで判断してください。

FAQ

Q1. 厚生年金と国民年金を両方受け取ることはできますか?

A. はい、可能です。会社員として厚生年金に加入していた期間がある方は、65歳から「老齢基礎年金(国民年金部分)」と「老齢厚生年金(厚生年金部分)」の両方を受け取れます。これが「二階建て年金」と呼ばれる理由です。自営業者として国民年金のみに加入していた期間も合算されますが、その期間については基礎年金のみが支給されます。

Q2. 年金の受給額を増やす方法はありますか?

A. 主に4つの方法があります。①繰り下げ受給(1か月あたり0.7%増額)、②未納期間の追納(国民年金保険料を過去10年以内の未納分を後から支払う)、③任意加入制度の活用(60〜65歳の間に国民年金に任意加入して満額に近づける)、④付加年金の加入(第1号被保険者が月400円の付加保険料を納付すると「200円×付加保険料納付月数」が年金に上乗せされる)です。詳しくはねんきんネットまたは年金事務所にご相談ください。

Q3. 離婚した場合、元配偶者の年金を分けてもらえますか?

A. 平成19年4月以降、「離婚時の年金分割制度」が導入されました。婚姻期間中の厚生年金記録を最大2分の1まで分割できます(合意分割)。また、平成20年4月以降の第3号被保険者期間については、自動的に2分の1に分割される「3号分割」制度があります。離婚後2年以内に請求手続きを行う必要があるため、期限に十分注意してください。手続きは最寄りの年金事務所で行います。

Q4. 年金保険料を払えない期間があった場合はどうなりますか?

A. 経済的に保険料を支払えない場合は、「免除制度」や「猶予制度」を申請することができます。全額免除・一部免除・若者納付猶予(50歳未満)・学生納付特例などの種類があり、承認されると未納扱いにはなりません。ただし、全額免除期間は満額の2分の1(税金で補填)、一部免除は免除額に応じた割合のみが年金額に反映されます。免除期間の保険料は10年以内であれば「追納」して年金額を回復させることも可能です。申請は市区町村窓口または年金事務所で行えます。

Q5. ねんきんネットでどんなことが確認できますか?

A. ねんきんネット(https://www.nenkin.go.jp/n_net/)では、①これまでの年金加入記録の照会、②将来の年金受給見込み額のシミュレーション(受給開始年齢を変えて試算可能)、③ねんきん定期便の確認、④各種通知書の電子交付の確認、⑤電子版「ねんきん定期便」の閲覧などができます。利用にはマイナンバーカードまたは基礎年金番号が必要です。24時間いつでも利用できるため、まず登録することをお勧めします。

まとめ

厚生年金と国民年金の違いを改めて整理します。

  • 国民年金は全国民が加入する基礎年金。満額で月約68,000円(令和6年度)。自営業・フリーランスはここだけ。
  • 厚生年金は会社員・公務員が上乗せで加入する報酬比例の年金。現役時代の収入と加入期間が長いほど受給額が増える。
  • 受給額を知るにはねんきんネットねんきん定期便を活用する。
  • 受給開始は自動ではなく申請が必要。65歳の誕生日前後に必ず手続きを行う。
  • 繰り上げ・繰り下げの選択は慎重に。一度繰り上げを選ぶと取り消せないことに注意。
  • 転職・独立・離婚・海外居住などライフイベントがあった際は、速やかに種別変更の手続きを行う。

老後の収入の柱となる年金は、知識を持って正しく手続きするだけで受取額が大きく変わります。「まだ先の話」と先延ばしにせず、まずは今日からできる3つのアクションを実行してみてください。疑問や不安があれば、一人で抱え込まず年金相談センターへ早めに相談することが、老後の安心につながります。

公式情報・相談先

“`


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ:

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です