結論:衆議院の議員定数削減をめぐり、比例代表を45議席減らす案は、2026年10月13日時点で成立していません。自民党・日本維新の会の議員が提出した法案は、10月5日に始まった第222回国会で衆議院の政治改革特別委員会に付託され、審議中です。法案要綱どおりなら、公布後1年以内に別の法制上の措置が取られない場合に、比例代表を176人から131人へ減らし、衆議院全体を465人から420人とする仕組みです。
与野党が当面の目安とした「10月末」は、選挙制度の見直しについて結論を得るよう努力する期限です。法案成立日でも、45議席削減が確定する日でもありません。
| 確認項目 | 2026年10月13日時点 |
|---|---|
| 法案の状況 | 成立前。衆院の政治改革特別委員会で審議中 |
| 提案されている削減 | 比例代表176人から45人減らし、131人にする案 |
| 衆院全体 | 465人から420人となる案 |
| 10月末 | 現行制度の見直しについて、具体的な結論を得るよう努力する目安 |
| 削減の実施 | 法案成立などの手続きが必要。現時点で決定していない |
議員定数削減法案で何が決まる?
法案名は「衆議院議員の選挙制度改革及び定数削減に関する法律案」です。自民党・無所属の会と日本維新の会の議員が提出し、2026年6月24日に第221回国会へ提出されました。第221回国会では成立せず、第222回国会の議案一覧では衆議院で審議中と記載されています。衆議院の審議経過では、10月5日に政治改革に関する特別委員会へ付託されています。
法案は、まず現行制度を維持・見直し・抜本改正するかを協議会で検討し、結論に基づく法制上の措置を1年以内に講じる構成です。その措置が期限内に講じられない場合の案として、比例代表の定数を45人減らす条項が置かれています。したがって「10月末に45議席減が自動決定する」という意味ではありません。
この法案自体がまだ成立していないため、「公布後1年」の起算も始まっていません。法案が成立した場合の具体的な期限や、今後の修正・採決は、国会の議案情報と審議記録で確認する必要があります。
比例176人から131人になると、衆議院はどう変わる?
現在の衆議院は定数465人で、小選挙区289人、比例代表176人です。提案の45人削減が実施されれば、比例代表は131人、衆議院全体は420人になります。比例代表の議席数は現在より約25.6%少なくなり、衆議院全体では約9.7%の削減です(現行の定数を分母にした単純計算)。
比例代表の議席は、各ブロックの政党得票などに応じて配分されます。議席数が減った場合、得票率が同じでも小さな政党が議席を得にくくなる可能性があります。ただし、実際にどの党が何議席を失うかは、選挙結果とブロック別の定数配分によって変わるため、現時点で特定の政党への影響を断定できません。法案要綱も、削減後のブロック別定数は別の法律で定めるとしています。
有権者にとっては、法案成立前の現在、投票方法は変わりません。影響が出るのは、制度変更が成立し、その後の衆議院総選挙に適用された場合です。小選挙区と比例代表の投票方法は小選挙区制と比例代表制の違い・衆院の2票の解説で整理しています。
賛成側と慎重・反対側の主な論点
提出者側は、人口減少を踏まえた議員数の見直しや、選挙時に掲げた定数削減の公約を理由に挙げています。衆議院の政治改革特別委員会で提出者は、人口の将来推計などを踏まえ、定数を1割削減する必要があるとの考えを説明しました。
一方、同じ委員会では「なぜ45なのか」という削減数の根拠や、比例代表を中心に減らすことで少数意見が反映されにくくなることへの懸念も取り上げられました。7月の憲法審査会では、議員から、地方や少数者の声、得票と議席の関係を含めて制度を議論すべきとの意見が出ています。これらは委員・会派の見解であり、国会全体で確定した評価ではありません。
| 論点 | 削減を求める側の説明 | 慎重・反対側が指摘する点 |
|---|---|---|
| 議員数 | 人口減少や公約を踏まえて見直す | 45人という数字の根拠や、削減効果の検証が必要 |
| 比例代表 | 地方の小選挙区定数を維持しながら総数を減らす案 | 少数政党や多様な民意の議席反映が弱まるおそれ |
| 制度改革 | 期限を設けて結論を出す | 定数だけ先に決めず、選挙制度全体を議論すべき |
どちらの立場を取る場合でも、「議員が減れば国の支出がいくら減るのか」と「有権者の声が議席にどう反映されるのか」は別の問いです。法案審議では、削減人数だけでなく、削減の根拠、ブロック別定数、制度変更の適用時期、少数意見の代表性を確認する必要があります。
10月末までに何が決まる?
報道によると、与野党は選挙制度協議会で、現行制度の下での見直しについて「10月末をめどに具体的な結論を得るよう努力する」と合意しました。合意文言は「努力する」であり、10月末までの合意や法案成立を約束するものではありません。完全比例代表制や中選挙区制を含む抜本改革については、別途、有識者による機関を設けて検討する方針が報じられています。
今後確認したいのは、与野党協議の結論、衆議院政治改革特別委員会での審議日程、法案の修正案や採決の有無です。衆議院の議案一覧は更新されるため、「審議中」の表示と実際に委員会で議題になった日を分けて確認します。
よくある質問
45議席削減はもう決まった?
決まっていません。法案は成立前で、衆議院で審議中です。成立した場合も、法案に書かれた検討・期限の手続きと、その後の法制上の措置を確認する必要があります。
10月末に比例代表が45議席減る?
いいえ。10月末は、選挙制度の見直しについて結論を得るよう努力する目安として報じられています。45議席削減案の条項が定めるのは、法案成立後に法制上の措置が期限内に取られなかった場合の措置です。
次の衆議院選挙で投票方法が変わる?
現時点では変更されていません。法案の成立や、具体的な施行・適用時期も確定していないため、選挙管理委員会の案内と成立法を確認してください。
どの政党が一番議席を失う?
現時点では断定できません。比例代表の議席配分はブロック別の定数や政党ごとの得票によって変わります。将来の配分ルールと選挙結果が分からない段階で、特定政党の減少数を決めつけることはできません。
まとめ:成立状況と10月末の協議を分けて追う
議員定数削減法案は、比例代表45議席削減案として176人を131人へ、衆議院全体を465人から420人へ減らす内容を含みます。しかし、2026年10月13日時点では法案は成立しておらず、削減も決定していません。10月末の「努力目標」と、法案成立後に定める1年以内の期限も別の話です。
今後は、国会での審議と与野党協議を確認し、決まった事項と各党の主張を分けて更新します。臨時国会の他の法案・家計への影響は第222回臨時国会の注目法案・日程まとめをご覧ください。
出典・参考資料
- 衆議院「第222回国会 議案の一覧」(法案の審議状況)
- 衆議院「選挙制度改革及び定数削減法案の審議経過」(10月5日の委員会付託)
- 衆議院「第221回国会衆法第28号 法律案等概要」(45議席削減条項と条件)
- 衆議院「政治改革に関する特別委員会 2026年6月30日会議録」(提出者の説明、削減幅の根拠などの論点)
- 衆議院「憲法審査会 2026年7月9日会議録」(選挙制度・地方の声に関する各委員の意見)
- テレビ朝日「定数削減 10月末に結論へ『努力』で合意」(与野党協議の報道)
確認日:2026年10月13日(日本時間)。法案の審議状況は更新されるため、変更があれば追記します。会議録に記載された主張は発言者・会派の意見として紹介しています。