給与明細と棒グラフ、働く人々、家計を描いた民間給与統計のオリジナル画像

民間給与の平均は487万円 男性597万円・女性342万円、手取りと平均との差を整理【2025年分】




結論:国税庁が公表した2025年分の民間給与実態統計では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円でした。前年から1.9%増えましたが、これは税や社会保険料を引く前の年間給与の平均であり、個人の手取り額や暮らし向きそのものを示す数字ではありません。

男女別では男性597万円、女性342万円、雇用形態別では正社員559万円、正社員以外210万円でした。平均値だけで自分の給与を評価せず、対象範囲、給与分布、賞与の有無、働いた期間を分けて読む必要があります。

確認日時:2026年9月29日18時12分(日本時間)。調査窓:直近24時間・7日・30日。Yahoo! JAPANのコメント数は関心シグナルとしてのみ使用し、世論全体や統計の根拠にはしていません。

国税庁が公表した平均給与487万円の意味

2025年分の平均給与国税庁の統計で平均給与が487万円となったことを示す図平均給与 487万円1年を通じて勤務した給与所得者・2025年分
図解:国税庁が公表した2025年分の平均給与。

国税庁の「令和7年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者は5,163万人で、平均給与は487万円でした。前年比では91,000円、率にして1.9%の増加です。

この「給与」は、給料・手当・賞与を合計した年間の支給総額です。給与所得控除前の収入で、通勤手当などの非課税分は含まれません。したがって、毎月の給与明細に表示される手取りや、賞与を除いた月給とは別の指標です。

前年から増えたが、平均は全員の典型値ではない

平均値を読む注意点給与分布の中で平均値は一つの集計値にすぎないことを示す図平均値高い給与の影響も受けるため、中央値とは一致しない
図解:平均給与は分布を一つの数字に集約した値。

平均給与は、給与の合計を給与所得者数で割った値です。高い給与の人が含まれると平均は上がるため、最も人数の多い給与帯や、真ん中の人の給与を表す中央値とは一致しません。

国税庁の統計は、給与階級別の分布も公表しています。自分の位置を知りたい場合は、平均487万円だけでなく、性別、雇用形態、年齢、勤続年数、業種、年間の勤務期間が近い集計表を確認する必要があります。

男性597万円、女性342万円という差をどう読むか

男女別平均給与男性597万円と女性342万円の平均給与を比較する図男性597万円女性342万円平均値の差は、勤務時間・勤続・雇用形態などを含む集計結果
図解:男女別の平均給与。差の原因を一つに決めつけない。

男女別の平均給与は、男性597万円、女性342万円でした。単純な差は255万円ですが、この数字だけから、同じ仕事・同じ労働時間・同じ勤続年数の賃金差を直接計算することはできません。

国税庁の統計は、給与所得者の人数や給与を男女別に集計したものです。職種、役職、労働時間、勤続年数、正社員かどうかなどの構成が男女で異なるため、差を説明するには別の統計との照合が必要です。今回の統計だけで原因を一つに断定できない点に注意が必要です。

正社員559万円、正社員以外210万円

雇用形態別平均給与正社員559万円と正社員以外210万円の平均給与を比較する図正社員・正職員559万円正社員以外210万円雇用形態の定義は国税庁の調査上の区分
図解:正社員と正社員以外の平均給与。

雇用形態別では、正社員・正職員が559万円、正社員・正職員以外が210万円でした。差は349万円です。ただし、正社員以外にはパートやアルバイトなどが含まれ、働いた月数や時間が異なる人も同じ区分に入ります。

この差は、同じ時間働いた場合の時給差を示す数字ではありません。雇用形態を変えれば必ず年収が同じ割合で変わる、という意味でもありません。転職や働き方を考える際は、所定労働時間、賞与、社会保険、契約期間を個別に確認します。

給与所得者は6,080万人、1年通じて働いた人は5,163万人

調査対象の範囲給与所得者全体6080万人のうち1年を通じて勤務した5163万人を示す図給与所得者 6,080万人1年を通じて勤務 5,163万人
図解:全体と平均給与の計算対象は同じではない。

2025年12月31日現在の給与所得者数は6,080万人でした。一方、平均給与487万円の計算対象になった「1年を通じて勤務した給与所得者」は5,163万人です。1月から12月まで引き続き勤務し、給与の支給を受けた月数が12か月の人を指します。

年の途中で入社・退社した人などは、この平均の集計対象と区分が異なります。就職・転職が多かった年に、本人の年間収入と統計上の平均給与をそのまま比較することはできません。

給与総額は247兆6,479億円、税額は13兆1,262億円

給与総額と源泉徴収税額給与総額247兆6479億円と源泉徴収税額13兆1262億円を示す図給与総額 247兆6,479億円源泉徴収税額 13兆1,262億円統計上の税額であり、手取りの計算ではない
図解:民間事業所が支払った給与と源泉徴収税額。

民間事業所が2025年中に支払った給与の総額は247兆6,479億円で、前年より2.6%増えました。源泉徴収された所得税額は13兆1,262億円で、給与総額に占める割合は5.30%です。

この5.30%は、個人の給与から一律に5.30%が引かれるという意味ではありません。給与総額と税額を全体で割った比率で、社会保険料、住民税、所得控除、税額控除などは別に計算されます。

平均給与487万円は手取り年収ではない

額面と手取り額面給与から税や社会保険料が差し引かれて手取りになることを示す図額面の給与税・保険料後の手取り家族構成・年齢・地域・加入制度で差が出る
図解:統計の平均給与から手取りを直接算出できない理由。

平均給与487万円は、税金や社会保険料を差し引く前の年間給与です。手取りは、所得税、住民税、健康保険、厚生年金、雇用保険などの控除後に決まります。

扶養親族の有無、賞与の割合、標準報酬月額、居住地、年齢、各種控除によって差が出るため、「平均給与487万円なら手取りは必ずいくら」と計算することはできません。統計の数字を家計の予算に使う場合は、自分の給与明細を基準にする必要があります。

最低賃金の引き上げとは別の統計

平均給与と最低賃金平均給与統計と地域別最低賃金制度は異なる指標であることを示す図平均給与実際の年間支給額の平均最低賃金地域ごとの最低限の時給平均給与が上がっても、全員の賃金が同じ割合で上がるとは限らない
図解:平均給与と最低賃金は目的も単位も異なる。

厚生労働省によると、2026年度の地域別最低賃金は、答申ベースで全国加重平均1,177円、前年度から56円の引き上げです。発効日は地域ごとに異なり、10月1日から12月2日までの間に順次発効する予定です。

最低賃金は時給で定める制度で、国税庁の平均給与は年間の支給総額を集計した統計です。最低賃金の引き上げが平均給与に影響する可能性はありますが、両者は同じ数字ではなく、平均給与だけで最低賃金違反の有無を判断することもできません。

暮らしへの影響は物価・税・社会保険料と分けて確認する

家計への反映給与の増加が手取りや実質的な生活余力に反映されるまでに物価や負担を確認する図給与税・保険料物価家計余力平均給与の増加だけでは生活の実感を説明できない
図解:家計の実感を確認するために分ける項目。

平均給与が1.9%増えたことは、給与統計上の名目額が増えたことを示します。家計の実感を考えるには、物価の上昇率、税・社会保険料、労働時間、賞与の変化も同時に見る必要があります。

統計公表時点では、個々の世帯の可処分所得や実質賃金が平均給与と同じ割合で増えたとは確認できません。家計について判断する場合は、総務省の物価統計や厚生労働省の毎月勤労統計など、目的の違う公的統計を組み合わせます。

今後確認したいのは平均値より分布と制度の変化

統計を読む三つの視点平均値、分布、制度を分けて確認することを示す図平均値給与分布制度・物価一つの数字を生活実感や政策効果へ直結させない
図解:給与統計を読むときの確認順。

今回確認できたのは、2025年分の民間給与の集計結果です。平均給与は上がりましたが、男女別・雇用形態別の差、給与階級別の分布、年間を通じて勤務したかどうかで見え方が変わります。

今後は、同じ調査の長期推移に加え、実質賃金、最低賃金の発効、税・社会保険制度の変更を分けて追う必要があります。平均487万円を「普通の年収」や「手取り」と言い換えないことが、統計を生活判断に使う際の出発点です。

出典・確認時点

記事の確認経路国税庁の公式統計を中心に厚生労働省と独立報道を照合したことを示す図国税庁厚生労働省独立報道一次資料を主軸に、報道は公表内容の独立確認に使用
図解:記事の事実確認に用いた資料。

確認時点:2026年9月29日18時12分(日本時間)。国税庁の統計は標本調査による推計で、世帯の手取り、個人の中央値、実質的な生活水準を直接示すものではありません。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: