先に結論:緊急地震速報に表示された「マグニチュード9.9」は、実際に発生した地震の確定規模ではありません。気象庁の速報処理が千島列島を震源と判断し、規模を過大に推定した数値です。実際の地震は10月16日12時38分ごろのカムチャツカ半島付近M6.9(速報値)で、函館市で震度1を観測しました。原因と緊急対策、今後の速報への向き合い方を一次資料から整理します。
確認日時:2026年10月17日 21時20分(日本時間)
緊急地震速報のM9.9は「地震の実測値」ではない

気象庁によると、10月16日12時40分、北海道から中部地方に緊急地震速報(警報)が発表されました。速報処理では震源を千島列島と決め、マグニチュードを9.9と過大に推定していました。
一方、同庁が第1報で説明した実際の地震は、同日12時38分ごろにカムチャツカ半島付近で発生したM6.9(速報値)です。函館市で震度1を観測したとされています。つまり「M9.9の巨大地震が起きた」という意味ではありません。
気象庁の警報履歴には処理上の推定値が掲載されています。履歴表のM9.9だけを切り取ると実際の地震規模と誤解するため、第1報・第2報の説明とあわせて確認してください。気象庁の第1報
なぜ過大推定に?気象庁が公表した2つの要因

気象庁の第2報は、現時点で判明した要因として2点を挙げました。
- 日本から非常に遠い地震に、国内用のマグニチュード計算式を適用した
- マグニチュード計算に使った震源と、震度予測に使った震源が異なっていた
緊急地震速報は観測データを使って震源や規模を素早く推定します。今回は遠方の地震に対する計算と、計算に用いた震源の扱いが問題になりました。気象庁は詳細を引き続き調査するとしています。現段階で、これ以外の原因を断定することはできません。第2報の資料(PDF)
気象庁の緊急対策は何を変えた?原因調査は継続中

第3報によると、過去の過大予測を受け、震源から700キロ以上離れた観測点をマグニチュード計算に使わない仕組みが設けられていました。しかし今回は、この機能が正常に動作していなかったことが判明しました。遠い観測点を使ったことは、過大推定の原因の一つとされています。
気象庁は10月16日21時30分ごろ、この機能が動作するよう緊急対策を実施し、「今回の地震に対しては」警報が発表されなくなることを確認しました。これは今回のケースについての確認です。原因の全容解明や、今後の誤報がなくなったことを意味するものではありません。気象庁は引き続き調査し、必要な対策を行うとしています。第3報の資料(PDF)
次に緊急地震速報が鳴ったら、まず身の安全を確保

今回の過大推定があったとしても、速報を無視するのは危険です。気象庁は、速報を見聞きしたときは「周囲の状況に応じて、あわてず、まず身の安全を確保する」ことを基本としています。
- 家では頭を守り、丈夫な机の下など安全な場所へ移動する。慌てて外へ飛び出さず、無理に火を消そうとしない
- 人が多い施設では係員の指示に従い、出口へ走らない
- 車の運転中は急ブレーキを避け、ハザードランプを点灯して徐々に速度を落とす
- 電車やバスではつり革や手すりにつかまる
速報が鳴ってから強い揺れが届くまで、数秒から数十秒しかない場合があります。まず身を守り、安全を確保してから情報を確かめてください。行動は場所によって異なるため、詳しくは気象庁「緊急地震速報を見聞きしたときは」を確認できます。
確認できたこと・未確定のこと

確認できたのは、実際の地震がカムチャツカ半島付近M6.9(速報値)だったこと、速報処理のM9.9が過大推定だったこと、遠方の観測点を除外する機能が正常に動作していなかったこと、10月16日21時30分ごろに今回のケースへの緊急対策が行われたことです。
一方、機能が正常に動作しなかった詳しい原因や、今後の運用全体への影響は、気象庁の調査が続いており未確定です。新しい公式発表があれば、このページを更新します。
情報確認:2026年10月17日 21時20分(日本時間)。出典:気象庁第1報・第2報・第3報および緊急地震速報の行動案内。
